【 Episode 10 】

見渡した治療室の、ほぼ中央に位置する

ベッドに横たわっている赤ちゃんと

目が合った。

髪の毛は、てっぺんがフサフサに立っていて

顔色は真っ白で、

両目は開いているが、

見るからにクタっとしていて、生気がない。

例えるなら、(弱りきったヒナ鳥みたい

だな…) と心の中で思った。

中には、出生時の体重が1kgにも満たない

小さな赤ちゃんが、誰よりも大きな泣き声で

手足をバタバタさせている。

みんな、様々な事情を抱えながらも、

生命を全うしていた。

(それなのに、こんな弱々しい子も

いるんだな。まぁ、それも現実か…。

さぞかし、この赤ちゃんの親御さんの

胸中は…) などと、まるで他人事のように

思っていた。

その赤ちゃんのベッドの名前を見て

「へっ ?

2度も、3度も見直した !

そのくたばったヒナ鳥が、

まさに私の長女だったのだ !!!

ほぼ、「初めまして」の感動の瞬間に

我が子に対して、とんでもない第一印象を

抱いてしまった、とんでもない母なので

あった。

きっと、なかなか自分を見つけてくれない

母に (何で、気が付かないかなぁ〜)と

必死で、視線ビームを送っていたのだろう。

娘よ !  申し訳ない !     

(続)

[ 文・絵  乃邑マヒロ ]

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