【 Episode25 】

長女は毎月1回、

県立こども病院に通っていた。

身体計測、血液検査、そして成長過程を

主治医の先生に、診てもらっていた。

ひとり座りは、

何とかできるようになった。

だが、両腕や両足の運動機能が

なかなか発達しなかったので、

院内のリハビリ療法室での訓練を

勧められた。

仕掛けのあるおもちゃには、興味を示して

手先を使って遊ぶことはできた。

しかし、リハビリの医師に言われて

初めて気がついたこと。

椅子に座っても、足をブラブラさせていて

足の裏を床面にべったりとつけることは

とても嫌がっていた。

「家でも、なるべく練習してください。」

それから、

知り合いから、乳児用の歩行器を借りたり、

いろいろ試してみたが、

長女の反応は、あまり良くなかった。

病院に行くたびに、

リハビリ室での訓練も、続いた。

内科の診察室内とは違って、

そこでの長女は、というと…。

お世辞にも、朗らかではなく

いつも、厳しい気配を漂わせていた医師に、

長女が、心を開くことはなかった。

泣いて拒否するようなことはなかったが、

明らかに

(仕方ないから、少しやってやるか…。)と、

冷めた感情でいたことは、私には分かった。

“ありのままの自分を、

受け入れてくれる人か?”

長女の『人を見極めるアンテナ』は、

そのころには、すでに研ぎ澄まされていた。

(続)

[ 文・絵  乃邑マヒロ ]

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