やっと思いのまま、歩けるようになったのに
まるで自由を奪うかのような、コルセット。
よくある腰痛用サポーターとは、格が違う。
とにかくぶ厚い !
“どんだけ、頑丈やねん ? ” みたいな感じ。
色さえ塗れば、ほぼロボットだ。
この厳ついものを、ほぼ1日中つけなければ
ならない。
目的は、『背骨が、歪まないように…。』
確かに、上半身は、
前後にも、左右にも、曲がらない。
長女自身は、コルセットをつけることを
嫌がったり、文句を言うことはなかった。
でも、私は、
( やっと、幼稚園で伸び伸び遊べるように
なったのに、本当は窮屈だろうな…。) と
案じていた。
そして、少し動くと、汗ばむ季節に。
長女の身体に、蕁麻疹が現れ始めた。
確たる原因は、わからなかったが、
私は、コルセットの素材と装着のストレスに
よるものだと感じていた。
「 よし、決めた ! 」
長女の身体から
コルセットを外すことにした。
( せめて、幼稚園にいる時間だけでも…。)
だって、もし私が同じ立場だったら ? と
想像するだけでも、嫌になるわけだし。
そして、実はもう一つ理由が。
かつて、主治医に宣告されたように
歩けるようになったころから
長女は、確かに太り始めた。
ということは、
体型に合わせて、コルセットも
次々に、作り変える必要があった。
なかなかの金額もするし、
病院で型取り→出来上がりを取りに行く
というループが増えることが
何より、しんどかった。
こんな親、本当なら失格だ。
案の定、“ 口先だけの自己中旦那” が
「放置して、いつか手術することに
なったら、どうすんだよっ !
痛い思い、させるのか !」
見た目は、最もなことを言っているように
聞こえる。
でも、旦那が本当に心配なのは
長女のことではない。
手術や入院で、どれだけ出費するか ?
ということだ。
自分のため以外には、浪費したくないだけ。
今、思い返しても不思議なのだが
( 大丈夫。手術することにはならない。)
妙な自信が、私の中にあった。
( そんなに心配なら、自分で面倒見たら ? )
心無い戯言に、心の中で反論しながら、
右から左に聞き流していた。
余談。
昨年末、長女が転倒して、骨折して
本当に手術したことは、
旦那の耳にも、入っているはず。
でも、自分の懐に支障がないから、
ほら ! 知らん顔 …。
(続)
[ 文・絵 乃邑マヒロ ]

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